「コウモリは触っても大丈夫?」と気になる方もいるでしょう。
実際、コウモリはむやみに触れてはいけない動物と言われています。
そこで今回は、コウモリに触ってはいけない理由について詳しくご紹介します。
コウモリに触れた際の正しい対処法や注意点が気になる方は、本記事を参考にしてください。
目次
コウモリに触ったらダメと言われる理由は、主に以下のとおりです。
・病原菌を多く持っている
・海外では死亡事故が起きている
それぞれについて詳しく説明します。
コウモリのからだには、ねずみのように細菌や寄生虫などの多くの病原菌がついています。
コウモリに触れたことで引き起こると考えられる感染症は、以下のとおりです。
・ヒトプラズマ症
・エボラ出血熱
・狂犬病
海外ではコウモリによる死亡事故が起きています。
コウモリに近づいた際に、噛まれたことが原因です。
コウモリに噛まれたり唾液が傷口に付着したりすると、狂犬病を発症します。
狂犬病は犬の伝染病ですが、コウモリも媒介します。
狂犬病を発症した際の死亡率はほぼ100%と言われており、たいへん恐ろしい感染症です。
日本では狂犬病予防のワクチン接種が義務付けられていることや死亡事故を起こした種類のコウモリが生息していないことなどから、コウモリによる死亡事故は起きていません。
しかし、多くの感染症や病原菌をもつコウモリには、触れないよう注意するのがベストです。
もしコウモリに触ってしまった場合は、以下の手順で対処しましょう。
➀他の場所に触れないよう気を付けながら移動する
➀石鹸でよく手を洗う
➁アルコール消毒で殺菌する
コウモリに触れた手には、多くの病原菌が付着している可能性があります。
その手でほかの場所に触れてしまうと、どんなに手を洗っても知らず知らずのうちに再度付着している可能性が高いです。
汚染場所を増やさないためにも、コウモリを触った手でものに触れるのは控えましょう。
洗浄時は、石鹸を使って指先や爪のなかもしっかりと洗います。
アルコールで殺菌するのも忘れずに!
コウモリに触れた手でドアを開けた場合は、ドアノブなどもアルコール消毒をしておくと安心です。
コウモリを取り扱う際の注意点は、主に以下の3つです。
・自己判断で殺してはいけない
・コウモリの糞を放置しない
・素手で触らない
それぞれの注意点を詳しくご紹介します。
コウモリの殺傷処分は、鳥獣保護管理法で禁じられています。
鳥獣保護管理法とは、鳥獣などの保護を目的として国によって定められた法律です。
たとえば、以下の行為は罰金に処されます。
・害虫スプレーで処分する
・部屋に閉じ込めて処分する
コウモリを自己判断で殺処分すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となる場合もあります。(※1)
コウモリが家に住みついた場合は無理に処分せず、以下の方法で対処しましょう。
・ハッカの香りで追い払う
・燻煙剤を撒く
・超音波発生器を使う
コウモリはハッカの香りが苦手とされています。
ハッカの香りのスプレーを侵入口や住かに撒いたり、香りをしみ込ませたアイテムを置いておいたりすると良いでしょう。
追い払ったあとは、侵入口を塞いでおくのも大切です。
コウモリの糞にも注意しましょう。
コウモリの糞は5~10mmの黒く細長いかたちをしています。
糞は乾燥状態のため風に乗って飛ばされやすく、広がりやすいのが特徴です。
糞には菌がひそんでいたり、カビが生えていたりします。
また、糞に汚染された空気を吸ってしまうと、アレルギーなどの疾患を引き起こす危険があります。
コウモリを見つけたら糞がないか確認し、糞を放置しないよう気をつけましょう。
糞を処分する際は、糞に汚染された空気を吸わないよう、マスクを装着して掃除するのがおすすめです。
コウモリや糞を処分する際、素手で触るのは危険です。
病原菌を持っていた場合、感染症を引き起こす可能性があります。
直接触るのは避け、手袋を着用しましょう。
手袋を処分する際は、コウモリに触れた部分に触らないよう注意してください。
「コウモリは触っても大丈夫?」と気になる方もいるでしょう。
実際、コウモリはむやみに触れてはいけない動物と言われています。
今回は、コウモリに触ってはいけない理由について詳しく紹介しました。
本記事や他の文献も参考に、野生動物に対する正しい理解と対処法を身に着けておきましょう。
※1:環境省 鳥獣保護管理法
808シティ株式会社 代表取締役社長
足立雅也
大手害虫駆除業者で様々な害虫駆除を体得し、その技術を競う全国大会で優勝実績を持つ。
現場で作業にとどまらず、関連する協会や学会の役員を務めるなど、業界活動にも意欲的で、数々の講義・講演を行っている。
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