ここ数年でトコジラミの認知度が高まり、早期発見・対策につながることも増えてきました。
その一方で、ホテルや旅館などでは痒みを感じた宿泊者から「トコジラミに刺されたかも」と疑われるケースも見られるようになってきました。
トコジラミは宿泊施設にとって無視できない存在ですが、トコジラミの有無は何を確認すれば良いのでしょうか。
今回はトコジラミが潜伏している可能性の高い場所を和室・洋室のそれぞれに取り上げるほか、目視の点検でチェックすべきポイントを紹介します。
宿泊業者をはじめ、自分の泊まっている部屋にトコジラミがいるのか心配な方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トコジラミは夜行性なので、日中は痕跡を探していくことになります。
トコジラミの痕跡としてはフンを見つける可能性が特に高いのですが、そのほかの痕跡は、以下の順で見つかりやすいです。
1.フン(黒い点々)
2.生体
3.抜け殻
4.卵(空の殻)
もしも室内で黒い点々を見つけた場合は、以下の方法でトコジラミがどうかを見極めましょう。
【フンのチェック方法】
・ティッシュを水で濡らし、しずくが落ちない程度に絞る
・黒い点に10秒間押し当てる
・擦って拭き取る
上の写真のようにティッシュに焦茶色の滲みが出たら、黒い点がトコジラミのフンである可能性が高いです。
宿泊中の場合は、フロントに伝えて対処してもらいましょう。
和室・洋室それぞれの客室で、どこを重点的にチェックすれば良いのか、以下で詳しく説明します。
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画像出典元:旅館・ホテルのための害虫対策の手引書(足立雅也提供)
和室タイプの客室では天井の隅や額縁の裏などにトコジラミが潜伏している可能性があります。
その中でも「畳と畳の間」「壁と畳の境目にある隙間」は特に注意して確認しておきたいポイントです。
ここに黒い点々がある場合は、先ほど紹介した濡れティッシュで拭き取り、トコジラミのフンなのかどうかを判断しましょう。
画像出典元:旅館・ホテルのための害虫対策の手引書(足立雅也提供)
続いて、洋室タイプの客室でトコジラミの痕跡を調べる場合は、「ボトム裏(ベッドの裏)」、特に足の付け根を重点的に確認しましょう。
トコジラミのフンはベッド裏に付いている場合も多いため、スマートフォンのインカメラ(自撮りモード)で下から撮影し、画面上で確認するのがおすすめです。
なお、チェックイン後すぐにトコジラミの確認をしたい場合は、ユニットバスやトイレなどに荷物を置いてから確認作業をすること。
荷物にトコジラミが侵入して家に持ち帰ってしまうケースもあるので、心配な方は事前に確認しておくと良いでしょう。
害虫駆除を行っている808シティでは、宿泊施設をはじめ飲食店や個人宅などでのトコジラミ駆除を行ってきました。
その中で、宿泊者・宿泊業者に「これだけは知っておいてもらいたい」と感じることをまとめたので、それぞれ確認しておきましょう。
実体験ですが、私の場合うかつにも30匹近いトコジラミに刺されてしまい、1日2時間しか眠れないほど強烈な痒みに襲われたことがあります。
痒みが治まってからも、自分のホクロを見ただけでトコジラミによる恐怖を思い出すことがあり、人によってはトラウマになっている場合もあるでしょう。
ただ、旅行される方に知っておいてもらいたいのは、ホテルや旅館に滞在中に痒みを感じたとしても、トコジラミ以外の可能性も考えられることです。
ダニや蚊にホテルの室外で噛まれたり、ベッドや寝巻きの繊維が肌に合わなかったりと、さまざまな原因があります。
また、トコジラミに刺されたとしても、痒くなるまでには時間がかかります。
トコジラミの吸血ペースは7〜10日に一度であり、痒みが出るのは4〜5回目の刺し傷からなので、1匹であれば1ヶ月ほど経ってから痒くなることもあります。
私の場合は一晩で多数のトコジラミに刺されたため、5日後に痒みが一気に生じました。
もちろん、旅先からの帰宅後に痒みを感じた場合はトコジラミの可能性もありますが、旅行中に痒みを感じた場合はトコジラミ以外の可能性を考えてみてください。
トコジラミ発生の疑いがあった場合、宿泊業者は客室の利用を止めて調査を行う必要があります。
もちろん、トコジラミがいないことがベストですが、客室が使えない期間が長引くと売り上げにも影響してくるでしょう。
宿泊される方に安心して滞在してもらうためにも、定期的な点検は欠かせません。
また、仮にトコジラミを駆除していたとしても、死骸やフン、抜け殻などを掃除しなければ、宿泊中のお客様から「トコジラミに刺された」と疑われかねません。
トコジラミの痕跡をなくすのは通常の清掃では不十分な場合もあるため、駆除後の客室は念入りに掃除しておきましょう。
トコジラミは一度発生すると駆除や対応に手間がかかるため、早期発見と適切な対処が必要です。
特に宿泊施設では、たとえ駆除が済んでいたとしても、フンや抜け殻などの痕跡が残っていれば、宿泊される方に不安を与えてしまう可能性があります。
そのため、宿泊施設では定期的な点検だけでなく、駆除後の丁寧な清掃を意識しておきましょう。
また、宿泊者自身も痒みを感じたからといって、すぐにトコジラミを疑うのではなく、冷静に痕跡を確認することが大切です。
必要以上に恐れるのではなく、正しい知識と対策をもって安心安全な旅を楽しみましょう。
トコジラミに関する不安や疑問がある場合は、専門の駆除業者である808シティまでご相談ください。
トコジラミ駆除に関しては10年以上の実績があり、完全駆除をお約束するほか、お客様のご予算に応じて適切なサービスをご提供します。
トコジラミ調査の結果報告も当日〜翌日には行うため、スピーディな対応も特徴です。
【足立雅也 プロフィール】
808シティ株式会社 代表取締役社長。
大手害虫駆除業者で様々な害虫駆除を体得し、その技術を競う全国大会で優勝実績を持つ。
現場での駆除作業にとどまらず、関連する協会や学会の役員を務めるなど業界活動にも意欲的。
日本全国で数々の講義・講演を行っており、トコジラミの講演数は200を超える。
「トコジラミ研究会」のメンバーとして、『トコジラミ読本』(日本環境衛生センター・2013年出版)を監修。
東京・神奈川・埼玉を中心とした関東圏から、
大阪を中心とした関西圏など、広域にわたって対応しております。
どの地域の方も、まずはご相談ください。
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