ダニの害というと、どのようなものをイメージされますか?「ダニに刺されて、かゆくなる」という被害を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実は、ダニにはさまざまな種類があり、人に与える害も違います。
今回はダニの害について、ダニの種類も含めて解説しますので、参考にしてください。
目次
家の中で関わりのあるダニの代表的なものは、次のとおり。「イエダニ」「トリサシダニ」「ツメダニ」「ヒョウヒダニ」「コナダニ」 の5種類です。その中で、吸血をするのは、イエダニとトリサシダニ。刺してくるのがツメダニです。
刺さないけれど、アレルギーや喘息、アトピーの原因になってくるのがヒョウヒダニで、コナダニは食品を加害します。
まずは、吸血をするイエダニとトリサシダニの特徴について解説しましょう。
イエダニはネズミについているダニで、ネズミや人の血を吸います。つまり、家の中または天井裏や屋根裏にネズミがいると、イエダニが発生する可能性が高くなります。家の中にネズミが発生すると、ネズミ駆除をされると思いますが、実は同時にイエダニの対策もしないといけません。イエダニが発生すると、お腹周りや太もも、二の腕など、柔らかい部分を刺されてかゆくなることがあります。
トリサシダニは、スズメやムクドリなど、鳥についているダニです。普段は鳥にくっつき、鳥の血を吸っています。これらの鳥が換気扇・雨戸の戸袋・天井裏・屋根裏などに巣を作ることがありますが、鳥からこぼれ落ちたトリサシダニが家中をさまよって人にとりついて刺すことがあります。
ネズミも鳥も、小さな穴をくぐり抜けたりするので、移動する時に体からダニが落ちることがあります。また、ダニがついているとかゆくて体をかきますので、その時にダニが落ちることもありますね。ネズミや鳥が死んでしまった場合、体温が無くなっていくので、ダニはその動物から離れて、新たな宿主を探します。
それが、天井の隙間やコンセントの隙間から家の中に現れるのです。なぜ、コンセントの隙間などから入ってくるかと言うと、電気の熱で温かいから。ダニが温かい電線に集まってきて、それをたどって部屋の中に現れるという仕組みです。ネズミも鳥も家にいなければ、吸血種のイエダニやトリサシダニはいないので、ご安心ください。
コナダニとヒョウヒダニを総称して「チリダニ」というまとめ方をします。
どちらも、直接人を刺すことはありません。
コナダニはこれも食品や畳に発生するダニです。小麦粉製品や煮干しなど様々な食品を害します。古い畳の方がダニが多いと思いがちですが、むしろ新しい畳は水分が残っていてダニが過ごしやすく、またエサとなるカビが生えやすい状態なので、新築または新調した時は注意が必要です。
ヒョウヒダニは、人や動物のフケなど、皮膚からこぼれ落ちたものを食べているダニ。そして、ヒョウヒダニのフン、死がい、抜けがらなどが、人のアレルギー、アトピー、喘息の原因となっていると考えられています。生息場所は、布団・ソファ・座布団・畳・カーペットなど、広範囲。人が比較的長く滞在する場所に多く発生しやすいダニです。
屋内でペットを放し飼いにしているご家庭の場合、動物がいろんなところにフケを落とすので、人が長く滞在する場所以外のところにも注意が必要になってきます。そのほか、食品にも発生することがあります。過去に、「一度開封し常温で保管されていたお好み焼き粉に、ダニが大量発生していて、その粉で作ったお好み焼きを食べた人が、アレルギー反応でショックを起こして、入院に至った」という事例もあります。
コナダニ・ヒョウヒダニを襲って食べるのがツメダニです。コナダニやヒョウヒダニがたくさん増えると、ツメダニも繁殖しやすくなって、ときどき人を刺すことがあります。刺されると、その部分が赤くなってかゆくなります。先に紹介したイエダニ(ネズミにつくダニ)は、人の体の皮膚の柔らかい部分(お腹周り・太もも・二の腕など)を刺すのですが、ツメダニは肌が露出している部分であれば、硬い部分でも刺します。
ツメダニが人を刺すのは身を守るためで、例えば畳の上に寝転んだ時にツメダニが押しつぶされそうになって苦しまぎれに人を刺してくるという具合です。ツメダニは湿度が60%以上の場所を好みます。湿度60%以上の状態を一定時間以上キープできるところに発生しやすいので、布団・ソファ・畳などで多く発生します。
逆にカーペットやフローリングなど、乾燥した場所では発生しにくいダニです。お風呂場の足拭きマットは湿度が高くなりますが、乾かしたり洗濯したりするので、ヒョウヒダニなどが増えにくく、ツメダニも増えにくいと考えられます。ただし、足拭きマットを洗ったりせずに置きっぱなしにすると微妙ですね。ツメダニを増やさないためにも、足拭きマットは清潔に保ちましょう。
イエダニは、ネズミの体毛の間にくっつくダニで、季節に関係なく年中発生しています。トリサシダニの場合は、渡り鳥が持ってくる場合があります。渡り鳥によるトリサシダニの場合、鳥の種類や時期によって地域差があります。渡り鳥以外の鳥の場合、繁殖期の巣を作るタイミングで被害が増える可能性が高いですね。例えば、スズメの繁殖期は3月~9月ですので、その辺りが増えやすいでしょう。
また、筆者の経験では、 ムクドリによるトリサシダニの被害についてのご相談を今まで多くいただいておりますが、ムクドリは3月~7月が繁殖期ですので注意が必要ですね。ヒョウヒダニも年中発生していますが、特に5月~7月にかけて繁殖が盛んになります。初夏・梅雨時など、湿度がちょっと高くて気温も高い時ですね。ヒョウヒダニが増えると、ヒョウヒダニを捕食するツメダニが増えるので、ツメダニによる被害に気を付けましょう。
「体がかゆい=ダニの害」というイメージが強いですが、必ずしもダニが原因とは限りません。ダニは肉眼で確認するのが非常に難しい生き物で、顕微鏡でやっとダニの種類が分かるレベルです。皮膚にかゆみがあれば、次の3つのダニをまず疑ってください。ネズミにつくイエダニ、鳥につくトリサシダニ、ツメダニです。ネズミや鳥が家に住みついていなければ、イエダニ・トリサシダニの可能性は低いです。
次に、ツメダニが多くなっていないか疑ってみましょう。ツメダニの害か確認するには、掃除の頻度を思い出してください。週に2回以上掃除機をかけていれば、おそらく、ツメダニの心配はありません。あまり掃除ができていなかった場合は、掃除機をかける頻度を増やし、ダニによる害が無くなるかで確認します。詳しく知りたいという場合は、一部の研究機関や、駆除業者によってはダニの検査を受け付けているところもありますので、相談されてみていかがでしょうか。
今回は家の中で人に害を及ぼすダニについて紹介しました。ネズミや鳥によって持ち込まれるダニは、ネズミや鳥など、発生源自体を駆除することで害を防ぐことができます。多くの家庭で害を受けやすいのは、人のフケや皮膚を栄養にしているヒョウヒダニ。そして、ヒョウヒダニを食べて増えるツメダニでしょう。ヒョウヒダニやツメダニは、先に紹介したとおり、布団に多く住みついているダニです。布団に週2回以上掃除機をかけていれば、ある程度は被害を防ぐことができるのですが、実践できる方はどれだけいらっしゃるでしょうか…。
こまめに布団に掃除機をかけるのは、とても大変なことです。「できるだけ手間をかけずに、安全にダニの害を防ぎたい」という場合は、ダニを簡単かつ安全に駆除できるアイテムの利用がおすすめです。808シティでは「ダニ取り物語」という、チリダニ駆除専用のアイテムを取り扱っています。この商品は、ダニの好む餌を不織布に織り込んだもので、ダニが入ると出ていかない仕組みになっています。2~3か月程度経ったら不織布ごと捨てて、ダニを一網打尽にします。敷布団とシーツの間や、枕カバーの中で使っていただきます。
殺虫剤とは違うので、お子さまのお布団にも安心してご利用いただけます。「忙しくて、掃除をまめにするのが大変」「子どもをダニから守りたい」という方は、ぜひお試しください。
808シティ株式会社 代表取締役社長
足立雅也
大手害虫駆除業者で様々な害虫駆除を体得し、その技術を競う全国大会で優勝実績を持つ。
現場で作業にとどまらず、関連する協会や学会の役員を務めるなど、業界活動にも意欲的で、数々の講義・講演を行っている。
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