害虫の中には新聞紙などの紙類を好み、エサとしているタイプが存在します。
古い新聞紙などを溜め込んでいると、いつの間にか虫が大量発生してしまうことにもなりかねません。
紙類を主なエサとする害虫への対策は盲点になりやすく、被害を防ぐには、虫の生態や効果的な対策について知ることが重要です。
そこで今回の記事では、新聞紙などの紙類につく虫(チャタテムシ・紙魚)の生態や効果的な4つの対策について分かりやすく解説します。
目次
新聞紙などの紙類につく主な害虫は、「チャタテムシ」と「紙魚(しみ)」です。
対策に役立てるためにも、それぞれの特徴や生態を押さえておきましょう。
「チャタテムシ」は、体色が淡黄色や淡褐色をしており、体長は1mmほどです。
ダニと勘違いすることが多いですが、ダニではなく微小昆虫に分類されています。
湿気が多い場所を好んで生息し、体が柔らかいのが特徴です。
新聞紙や古本などの紙類を食べるほか、カビや乾燥食品(ビスケット・麺類など)などもエサとしています。
チャタテムシは人を噛んだり、刺したりすることはありませんが、大切な本や書類に被害を及ぼすことがあるため要注意です。
「紙魚(シミ)」とは、体長が8〜10mmほどの、紙を好んで食べる小さな虫です。
体が魚のような形をしていることが名前の由来で、体がウロコのようにキラキラと光るため、「シルバーフィッシュ」とも呼ばれます。
紙魚もチャタテムシと同様に人を噛んだり、刺したりすることはありませんが、新聞紙・古本・掛け軸・段ボールなどの紙類をボロボロにしてしまいます。
湿気の多い場所を好むため、トイレ・風呂場・押し入れなどで見つかることも多いです。
紙類につく虫を放置していると、「大切な本や書類がボロボロにされる」「高価な掛け軸が食い破られる」などの被害が生じかねません。
そのような事態を防ぐためにも、しっかりと対策を行なうことが重要です。
ここでは、効果的な4つの対策をご紹介します。
紙魚の姿を見かけるより前に効果的なのが、「虫干しをする」方法です。
「虫干し」とは、晴れた日に日当たりと風通しが良い場所で、本や書類を開いた状態で干すことをいいます。
紙魚は紙の中でも特に湿り気のある紙を好みます。
そのため、虫干しを行ない、紙類が含む湿度を低下させることによって紙魚の被害を防げるのです。
現代よりも紙が貴重だった昔の日本では、虫干しは年中行事としてよく行なわれていました。
今でも虫対策として有効な方法で、簡単にできるため、実践するとよいでしょう。
紙魚は高温多湿な環境を好みます。
具体的には、気温が20度以上で、湿度が70%ほどの環境を特に好むといわれています。
そのため、室内の湿度を40~50%ほどに保つことで、紙魚の被害を予防することが可能です。
ただし、湿度が上記よりも下がると、風邪を引きやすくなるため、湿度の下げ過ぎには十分注意してください。
新聞紙を長期間保存していると、虫に食べられたり、卵を産まれて繁殖されたりします。
特にチャタテムシの活動が活発化する梅雨時に大量の新聞紙を放置していると、それをエサとして大量発生してしまいます。
逆に、湿度と気温が下がる冬場には、新聞紙はチャタテムシにとって暖かい格好の隠れ家となります。
年間を通じて新聞紙を溜め込まないようにすることが大切です。
駆除アイテムを使用するのも効果的です。
虫を発見した場所はもちろんのこと、風呂場・トイレ・押し入れなどの高温多湿な場所に置き型の殺虫剤を設置するのがおすすめです。
また、紙魚は体が非常に小さいため、壁などに開いているごく小さな穴や押し入れの小さな隙間などからも簡単に侵入してきます。
そうした紙魚の侵入経路になりそうな場所にホウ酸団子を置いておくと、効果的に駆除できます。
以上、新聞紙など紙類につく害虫への対策について解説しました。
紙類に付く虫は、基本的に高温多湿な環境を好みます。
そのため、湿度を下げることが有効な対策になります。
虫干しを行なったり、室内の湿度を下げたりして、効果的に対処しましょう。
また、置き型の殺虫剤やホウ酸団子などの駆除アイテムも上手に活用してくださいね。
虫があまりにも大量に発生しているなど、自分で対処できない場合は、信頼できるプロに駆除を依頼しましょう。
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808シティ株式会社 代表取締役社長
足立雅也
大手害虫駆除業者で様々な害虫駆除を体得し、その技術を競う全国大会で優勝実績を持つ。
現場で作業にとどまらず、関連する協会や学会の役員を務めるなど、業界活動にも意欲的で、数々の講義・講演を行っている。
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